第21章 また、恋してくれますか。
『何やってんの?完成したか?』と
政宗に言われ現実に引き戻された桜奈。
『う、うん。出来たよ』
『よし!こっちも完成!
じゃ、食おうぜー』と
トレーに乗っていたのは
プリンアラモードだった。
ぷるんとしたプリンの周りには
メロンやキウイにバナナ、この時期には
珍しい苺で、鮮やかに彩りが添えられ
桜奈には、眩しくさえ見えた。
ぱぁっと明るい顔になり目を見張る桜奈。
『うわー、きれい!!食べるの勿体ないですね』
と言う桜奈に
『はっ?食べなきゃ、意味ないだろ?』と
クスッとする政宗。
二人がそれぞれデザートを運んできた。
家康の前にくると
『はい、これは、私が作ったものなので
味の保証はないです。甘さは控えめに
してますけど、黒蜜足りなかったら
かけて下さい』てニッコリしながら
目の前にコトッと器を置いた。
『うん、ありがとう。
見た目は、凄く美味そうだよ。見た目はね!』と
意地悪そうな笑みを浮かべ
自分の為だけに作ってくれたが
とてつもなく嬉しいくせに
照れ隠しで、また憎まれ口を叩いた。
『あー、そんなこと言うなら
これも、私が食べますよー』と器に
手を戻そうとする桜奈。
桜奈の腕をぱっと掴むと
『もう、これ俺のだろう?ダメだよ
人の分まで食おとしたら!
それでなくても、食い意地
半端ないんだから桜奈は!』
と、ニヤッとしながらまた
可愛くない言葉を吐く家康。