第21章 また、恋してくれますか。
結局、自分の『隙』については
分からないままだった桜奈。
愛花の眠るソファの方を見つめ
『でも、さっきの店長可愛かったですね』
とクスッとして
『いっつも、ピシッとして、キリっとしてるのに
酔うと、ふにゃってなるんですねー。
政宗さんと話をしてる時の店長も可愛いけど
今日は、また違った可愛さが見れた!』
パティシエとしても自立している一人の
女性としても、こっそり憧れていた桜奈は
愛花から学ぶべきところを見出そうと
いつも、愛花をよく見ていた。
『えっ?俺だけじゃなく、
みんなに、そうだろう?』と政宗は
何を、今更と言う風に聞き返した。
『えー、違いますよ!』
さっきほどじゃないけど、いつも
めっちゃ、優しい顔でふわって笑ってますよ
政宗さんに向ける笑顔は、特別って言うか』
(同じようで、ちょっと違うんだけどな)
『えっ?違うの?何が違うの?
みんなに平等じゃん、愛ちゃんは。』
(えー、桜奈にどんな風にみえるんだ?)
『なんて言うですかねー、こう
愛おしい感じが伝わるって言うか・・・
ああ、政宗さんは店長にとっては
大切な人なんだなって伝わるって言うか・・・』
『いや、確かに幼馴染だけど、そんなか?』
(えー、その愛おしいって、どう言う意味だよ
幼馴染の姉ちゃんって意味でだよな?)
『うーん、幼馴染だから?
そうなのかなぁ?』
(なんか、少し違う気が・・・)