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また、恋してくれますか。

第21章 また、恋してくれますか。


だが、高校生になった政宗は
自分の気持ちを抑えられず
愛花に告白したのだ。

懐いて憧れの眼差しを向けてくれているのは
愛花も感じ取っていた。

しかし、その告白はきっと
いっ時の気の迷いで、若気の至りに過ぎない。
モテイケメンの大手企業の御曹司と
6歳も歳上の自分が、どうやったって
釣り合うはずもない。

もし、自分が叶わぬ夢をみて
政宗の気持ちに応え、付き合ったとする。
黙っていたって、モテる政宗のこと
すぐに相応しい人が現れるだろう。
そして、自分への告白は
勘違いだったと気づき、後悔するに違いない。

私は、政宗の恋愛遍歴の通過点に過ぎず
飽きられ、忘れられてしまうに決まっている。

そんな痛みに、耐えられそうもない
傷つくのも嫌だ。

なにより、そうなれば幼馴染にも
姉のような存在にも戻れないまま
私は、政宗の前から永遠に
消え去るしかなくなるのだ。

そんなことになるくらいなら
何も望まない。
何も期待しない。

だから、揶揄うなと告白をスルーし
キッチンを見に来いと誘われても
理由をつけては、断ってきた。
お願いだから、この関係を
私から奪わないでと祈る気持ちで・・。

今日は、本社でのミーティング
終わったら焼肉パーティーに来ないかと
政宗から誘われていた。
桜奈 や詩織、家康も参加すると聞き
OKの返事をし、本社から帰ろうとしている
ところを、政宗の父から呼び出されたのだ。

会えば、政宗の近況を話すのは
いつものことだったが、今日は違った。

『愛ちゃん、ごめんね、忙しいのに』と
気さくで、優しい、紳士な政宗の父。
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