第21章 また、恋してくれますか。
(はっ?桜奈が俺のことを好き・・?)
桜奈の顔をまじまじと見る家康。
口をぱくぱくさせて、どんどん赤面していく
桜奈は、頭が真っ白になっていた。
そんな、二人を見て
『あれ?付き合ってるよね?二人?
隠さなくてもいいのにー!』
と、家康と桜奈を交互に指差し
にんまりしながら、駄目押しする愛花。
もう、これ以上は放ってはおけないと
慌てて、場の空気を戻そうとする
政宗と詩織。
『な、何言ってんだよ、愛ちゃん。
二人が付き合ってるはずないだろ?
勘違いだって、な、なぁー』
と、詩織に同意を求める政宗。
(やっば、家康が桜奈の気持ちを
知ったら、こいつまた、板挟みになんだろ。)
『そ、そうですよ!店長。ほら、桜奈は
一人っ子だから、徳永さんをお兄ちゃんみたいに
慕ってるぅーの好き!だよねー桜奈。ねっ?
そうだよね』と
桜奈の背中を、バンバンと叩いた。
(まずい、まずい、まずい、桜奈の
無自覚にもう少し釘刺しとくんだったー。
たまに、徳川家康の話で盛り上がるとは
言ってだけどさー、ダダ漏れしてんじゃん!
本人には、知られたくないって必死なのに
あと少しで、終われるって
無理してんのに、なんで今!!)
はっとする桜奈。
『そ、そ、そうなんですよ!
家康さん、優しいし、ついお兄ちゃんいたら
こんなかなぁって。そう、しぃちゃんが
言ってるみたいに、お兄ちゃんみたいで
好きって意味ですからね。』と
家康に言いながら、にっこり笑った桜奈。