第21章 また、恋してくれますか。
『えっ、あっ、ごめんごめん、そんな意地悪
言わないで、使わせてよ!もーほんと素敵。
さすが、政宗!センスが違うよねー』と
分かりやすいゴマすりで、機嫌をとる愛花。
そのやりとりを傍から見つめる
桜奈達三人は、初めて見せる政宗の
子供っぽい姿にポカンとした。
(前から、薄々感じてはいたけど
政宗さん店長のこと好きなんだー)と思う詩織と
(前から、ずっと思ってだけど
政宗さん店長って、ほんとに、仲良いいんだ)と
思う桜奈。
(なんだ、桜奈狙いじゃなかったのか)と
また、ホッとする家康。
わいわいと準備をしながら
やっと始まった焼肉パーティー
『かんぱーい!!』とグラスを掲げて
皆で乾杯し、お肉を焼き始めた。
ジュウジュウと音をたて、香ばしい匂いが
みなの食欲を誘う。
一口食べるたびに
『あー、おいひぃ』と、ゆるゆるな顔で
本当に美味しそうに食べる桜奈。
見ているこちらも、なんだか幸せな
気分になってくる。
『そうだろう!俺が作るもので
不味いものなんてないからな』と
政宗も美味しそうに食べてもらえることに
喜びが込み上げる。
『家康どうだ?』
『ああ、美味いよ。でも七味が欲しい』
『お前なぁー、相変わらずのバカ舌だな』
と呆れる政宗。
『辛いのが好きなだけで、味はちゃんと
分かってるし』とムッとしながら政宗に
言い返したが
『しゃーねぇーなー』と席を立つと
七味を家康に渡した。