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また、恋してくれますか。

第20章 〜それぞれの道〜


自分の分かりやすさに
ほとほと嫌気がさしそうになった
桜奈だったが

『やっぱり、しぃちゃんには敵わないなー』
と、困った顔で笑いながら
『聞いたら、うわっ桜奈、最低って
想うかも知れないよ?』
(そうだよ、あんな諦めるとか、身を引く
みたいなこと、散々言ってたのに
キスして欲しかったなんて・・
そんな、はしたない自分をどう思われるか?)

『えーっ?私の仁王立ちで命の恩人に
啖呵を切るより最低なこと?』
と、自分史上、最も最低な自分を
持ち出し、それを超えるような
最低なことをそもそも桜奈が
できるはずはない。
そう思い、自分を引き合いに出した。

『うーん、しぃちゃんのそれはさ
不可抗力って言うか、仕方なかったし
先生が、わざとしぃちゃんを怒らせた感じ
があるもの・・・私のは、穴があったら
入りたい最低よ・・・トホホ』

しゅんと、項垂れた桜奈だったが
『あっ、しぃちゃん、ごめん。
もう時間ないや。急がなきゃ!
あとで、白状するから!
また、連絡するよ。
じゃ、お疲れ様、気をつけて帰ってね!』
と言うと、パタンとロッカーを閉めて
パタパタと仕事へ向かった。

『うん、分かったー!仕事頑張ってー!』と
詩織も桜奈を見送ったが

(私にも、直ぐには話にくいって・・
一体、どんな最低なこと?・・・
穴があったら入りたいって・・・
まさか!徳永さんに勢い余って
告白した?もしかして、肉食女子に変貌?
いやいや・・桜奈に限って、ないない)
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