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また、恋してくれますか。

第20章 〜それぞれの道〜


『それに、さっき変だって言ってた
感覚あるでしょ?私もあっちに行った
ばかりの頃は、もう歴史の教科書で
見た名前の人ばっかりだし、戦国時代だし
絶対、生きていけないって正直思ったよ。

でも、気持ちは変わって行くよ。
今では、歴史上の壮々たる戦国武将を
家族の様に思ってる。

だからね、今は絶対変わりそうもない
桜奈の恋心も、少しずつ
変わって行くかも知れないってこと。

今のその強烈な想いに縛りつけられるみたいに
拘る必要も、跡形もなく消して忘れる
必要もないよ。
ちょっと辛いけど、今のままで
いいよってこと!』

『うん・・・ありがとう、お姉ちゃん。
私も、もうすぐお別れだって思って
ちょっと感傷的になってたかも・・』

(そうだ、私は決めてたんだ。家康さんの
幸せを願うって、残りの時間を大事に
過ごすって。)

『そりゃ、仕方ないよ。利休さんがね
変化のないものは一つもないけど
とにかくその変化すら楽しめるくらいになれば
人生の達人的な事を・・

わさび・・・ん?なんかちがう、あれ?
なんだったかなぁ・・・』と考え込んだが

『お姉ちゃん、もしかして、それ
わび(侘)・さび(寂)のことじゃない?』
と、少し呆れ顔の桜奈。

『そう!それっ!』と桜奈を指差し
スッキリした顔になった。

『わび・さびを、わさびって・・・
いや、音は似てるけどさ・・』

『てへへ、信長様にも、いっつも呆れられる。
でもね、意味は合ってる!・・・はず?』と
自信無さげに苦笑いした。
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