第20章 〜それぞれの道〜
『凛桜ちゃんって、私の姪っ子ちゃんに
なるんだよね?ママから聞いた。
そうだよね、突然、ママがいなくなったら
私も心配で、不安になるよ。』
『うん、まだ、15歳だからね。
思春期真っ只中だし、桜奈と
2歳しか違わないから、きっと気持ちは
分かってもらえると思ってた。
ありがとう桜奈 。
ごめんね、姉らしいことを
何もしてあげらなくて』と申し訳なさそうな
顔する栞に
『そんなことないよ!お姉ちゃんと
一緒には暮らせなかったけど
私の中にはいっつもお姉ちゃんがいたもの。
ママが、お姉ちゃんの話をしてくれる度に
凄いなー、羨ましいなーって思ってよ』
と、頭を優しく撫でられ、フニャッとした
可愛らしい笑顔を見せる桜奈に
ズッキューン!
(///な、何!この、激レアな桜奈さんを
見てる感じ!可愛い!可愛すぎるぅー!///
ああ、この感動を家康と共有できないのは
桜奈ファンクラブ代表としては
残念だー、独り占めして家康ごめん!
見せてあげたかった・・・)と心で詫びる栞。
桜奈さんでなくて、桜奈だと
分かっていても、重なる印象と
戦国時代の桜奈では見られなかった
緩んだ笑顔にメロメロになり
むぎゅっと抱きしめたくなる衝動を
プルプルと抑えながら、感動に浸っていた。
そして、もし桜奈さんの身に悲劇など
起こらず両親の愛を一身に受けて
育っていたなら桜奈さんは、きっと
目の前の妹のように感情表現の豊かな人に
なっていたのかもと頭の片隅でそうも感じた。