第3章 〜君を見つけた〜
今度は、階段をダンダンと
音を立て降りてきた桜奈。
(何よ、あれ?なんかムカつく!
感じ悪い!あんな、人だったなんて。
会いたいだなんて思ってた、昨日までの
自分を、殴ってやりたい!!)と相当に
腹を立てていた。
『ママ、徳永さんには声かけたから
後は、ママがお風呂に案内してあげて。
私は、部屋で勉強するから!』と明らかに
不機嫌な声で千里に言った。
冷蔵庫から飲み物を取ると、冷蔵庫の
扉もバタンと勢いまかせに閉め
またダンダンと音を立てて階段を上がり
自分の部屋に戻った。
『あらまー、今度は何に腹を立ててるんだか。
あんなに、イラついてるのも珍しいわね。
ね、鷹介さん、栞以上に百面相の桜奈
だから、面白いでしょ?』とにんまりする千里。
『確かに、見てて飽きないかも』と
苦笑いする鷹介。