第20章 〜それぞれの道〜
それほどまでに愛されている
戦国時代の桜奈が羨ましく
思えた。
(ああ、やっぱり、間違ってなかった。
私が想像してた人、そのままだ・・)
そして、ふと気づいてしまったのだ。
徳川家康は、戦略上で沢山の子供を
もうけたと、思われてもいる。
だが、もしかしたら、家康はただ純粋に
現代に生まれ変わるかも知れない桜奈に
証明しようとしたのかも知れない。
徳川家が現代にも存続し続けることで
家を守ると言う約束はちゃんと果たしたからね。
・・と、生まれた変わった桜奈に
そう伝えたかったのではないかと。
(凄いな、桜奈さん愛され過ぎだよ・・)
桜奈は涙を拭いながら、徳川家康の
一途な愛に、また心打たれていた。
恋した人に一生、愛し愛されて行きたい
桜奈が憧れてやまない、愛の形。
だが、例え愛する人の側に
いることが叶わなくなったとしても
紡がれ形どられていく、愛の形が
あることを徳川家康の生き方を通し
桜奈は知ったのだ。
一方、桜奈の涙で、桜奈の
徳川家康への想いを理解した家康。
本当に戦国時代の桜奈の
生まれ変わりではないかと思うほど
強い思い入れがあると感じた。
そんなに桜奈に思われている
徳川家康がやっぱり羨ましいと思えてしまう。
同じ名前で、生まれ変わりと思うほど
姿は似ていても、今の自分と桜奈では
想いも立場も違う。生まれ変わりどころか
ただの他人の空似。