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また、恋してくれますか。

第20章 〜それぞれの道〜


『うん、確かに矛盾してるように感じても
仕方ないと思う。
でもね、それが桜奈さんの願いで
桜奈さんとの約束だったのよ・・』
(家康が、頑張ってるのは近くで見てきて
よく知ってる・・)

『それは、周囲からの圧力で、渋々受け入れた
って事じゃなくて?』と家康も興味を示した。

ふるふると首を横に振り、思い出しているのか
切なく寂し気な表情で

『嫌がる家康に、桜奈さんが
側室を迎えて、世継ぎをもうけるつもりが
ないなら離縁するって脅したの。

桜奈さん、普段はもう凄く優しくて
思いやりのある人なの。
でもね、こうと決めたら絶対譲らない
頑固な人でね・・・信長様も男だったら
歴史に名を残せる武将になっただろうって
言うくらい意志の強い人だった。

だから、桜奈さんに離縁するって
言われたら家康は、桜奈さんの
願いを受け入れるしかなかったの・・・。
それくらい、桜奈さんを愛してたし
離縁なんて考えられなかったんだと思う。

桜奈さんは桜奈さんで
徳川の家を守る為に、徳川家の嫁の務めとして
譲れなかったんだと思う。
自分のせいで徳川家が途絶えるなんて
耐えられないって言い張ってね・・・。

家を守る為とは言え、3歳から人質生活を
強いられて、ずっと辛酸をなめる思いで
生きてきたことは桜奈さんが誰より
理解してたから、そんな家康の苦労を無碍に
するようなことは出来なかったんだと思う・・・
って、話せば長くなるけど聞く?』

と、皆に尋ねる栞だったが

尋ねるまでもなく、一同は栞の話に
聞き入っていた。
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