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また、恋してくれますか。

第20章 〜それぞれの道〜


『まぁ、でも家康君は本当に徳川の末裔だから
似ててもおかしくないのかもね』と鷹介が
言うと

『本当に!家康君って、徳川家康の末裔なの?
そうなんだ末裔なんだ・・』
何やらひとり納得すると
嬉しそうにしながら

『歴史は、私が時を超える前と
変わってないってことは
家康が桜奈さんとの約束を
ちゃんと果たせたってことだ!・・・』と
独り言のように、しみじみ呟く栞。

そんな、栞の話を目をキラッキラッさせ
ながら、ニコニコと聞き入る桜奈。

興味深々に前のめりで
話を聞き漏らすまいとする姿に
(相変わらずだねぇ)と
ぷっと吹き出して笑う家康。

家康が自分を見て吹き出したと
気づいた桜奈は
家康の方をジトっーと睨むと
また、馬鹿にしてたでしょ?
と言うように頬を膨らませるが

家康は、何のこと?と言うしれっとした顔で
ふいっと顔を逸らし、素知らぬ顔をする。

そんな二人が目で会話する姿は
栞には、在りし日の桜奈と家康の
姿と重なり、また懐かしさが込み上げる。
(前も見たなー、こんなやりとり・・・)

微笑ましく二人を見つめる栞の視線に
気付いた千里に
『栞?また、発作がおきそうよ?』と
優しく声をかけられ、ハッとし

『もう、やーね。こんな感じで二人に
徳川家康と桜奈さんを重ねて見ては
涙腺が緩むのが、勘違い発作なわけよ、パパ』
と、苦笑いした。
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