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また、恋してくれますか。

第19章 〜祈り〜


『そうよね。私も鷹介さんも栞を授かった時に
栞が私達の元を離れていく予感をもっていた
から、栞には余計だと思う話はしてこなかった
のよね・・・』

『予感?離れるって、いつか嫁いで
ここを出て行くって意味じゃなくて?』
(ん?どう言うこと?)

『そう。栞を奪われて二度と
会えなくなるかも知れない予感。』
(もう、今となれば予感ではなく
お告げみないなものだったのよね・・・)

『えっ?また何でそんなふうに思ったの?』
(奪われる?誰かに連れ去られる予感が
していたってこと?)

『実はね、栞を授かったって分かったのが
ママが見た夢がきっかけだったの。

夢の中で、誰とも分からないのだけど
緋色の瞳が印象的な、少し威圧感と言うか
畏怖の念を抱かせるような人が
ママの夢にでてきてね・・・

その腹の子が二十歳になったら、我が元に
貰い受けるって言われたの。』

『緋色の瞳・・?』
(信長様の瞳と同じ色・・・)

『そう、燃えるような夕日みたいな瞳。
赤ともオレンジともつかない、強い意志の
宿るような瞳だった。それだけが印象的でね。

夢だって分かってるのに少し怖かったわ。
そのあとに、貴方を授かっていると知って
言われた言葉が本当になる気がして
ますます、不安になってね・・』

お茶をゆっくり口に運び、懐かしむように
そう語る千里。

『その夢の通りになったってこと?
じゃ、私があの時代に行ったのは
偶然じゃなかったってこと・・?』

栞には、千里の夢に出てきた人物が
信長だったのではないかと思えた。

(信長様が、私をあの時代に呼んだの・・・?)
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