第3章 〜君を見つけた〜
二階へと上がると、家康の部屋の
ドアをノックし
『徳永さん、お風呂沸いたので、先にどうぞ』
と声をかけたが返事がない。
『徳永さん?』とまた桜奈は声を
かけながら、恐る恐るドアを開け部屋を覗くと
部屋着に着替え、ベッドに仰向けで
横になっていた。
イヤホンで音楽を聴いているようだったが
目を閉じているので眠っているようにも見えた。
(どうしよう、眠ってるのかな?
目を瞑って音楽聞いてるだけ?どっち?
とりあえず一回、名前呼んで
軽くトントンして起きてるか確認しよう。)
と確認するだけなのに、男の人の部屋に
勝手に入っているという、はしたないような
背徳感に妙にドキドキしながら
家康のちょっとの動きも見逃さないよう
家康を凝視しながら近づいていった。
そのせいで、ベッド近くに置かれた
荷物に気づかず躓き
『きゃっ!』と言った時には
桜奈の身体は、家康の上にどすん!
覆いかぶさるように倒れこんだのだ。
少しウトウトしていたが衝撃に驚き
目を開けた家康の目の前には
桜奈の顔が迫っていた。
(いってぇー、///えっ?何これ?///)
『アタタタ』と起き上がろうと目を
開けた桜奈の目の前にも
家康の顔。『えっ?』(///かぁっ///)
みるみる、顔が赤くなる桜奈。