第3章 〜君を見つけた〜
『そうよね、まだ若すぎるって猛反対
してたもんね、うちの父。懐かしいね。
あれは、若いとか若くないでなく
娘を取られる気分だったのね。
でもね、鷹介さん、考えようによっては
幸せなことよ!栞の恋する気持ちは
手紙で教えてもらったけど、恋する姿は
私達は見ることは叶わなかったでしょ。
好きな人を想って、一喜一憂しながら
少しずつ大人になっていく娘の姿を
今度は、間近で見られるかもよ。
恋すると、女の子はどんどん綺麗に
可愛くなって行くし、多分、色んな
顔がみれる。私は、それが嬉しいし楽しみよ。
桜奈は奥手過ぎて心配だったから
今日の反応みて安心したわ。
つい、揶揄い過ぎて怒られちゃったけどね』
と悪戯っぽく笑う千里。
『確かに、そう考えれば楽しみだよ。
でもなー、やっぱりなー、複雑』と
はっ〜とため息をつき困った顔で
笑う鷹介だった。
すると、『ママ〜、お風呂沸いたけど
徳永さんに、先入ってもらえばいい?』と
桜奈が声がした。
『そうしてちょうだい、先入ってもらって』
と千里も返事をした。