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また、恋してくれますか。

第19章 〜祈り〜


栞の退院に向けて、大方の荷物を二人で持ち
病院の待合室ロビーまで降りてきた
千里と桜奈。

二人でニコニコしながら話をし
出入り口に向かっていると
背後から『上杉さん』と声をかけられた。

振り返ると信長だった。

『あっ、先生。この度は娘が本当に
お世話になりました。』と一礼する千里に
つられて、桜奈もペコリと頭を下げた。

『あっ、いえ、いえ、栞さん元気になって
僕もホッとしました』と優しく微笑むと

『こちらこそ、弟がお世話になりました。
引越しの日が決まったと連絡をもらったので
改めて、ご挨拶に伺いたいんですが
25日の日曜日なら、僕も休みなので
伺えるんですが、御都合をお聞きしたくて』

『まぁ、ご丁寧にありがとうございます。
でも、お忙しい中の貴重なお休みでしょう?
家康君にお世話になったのは、むしろ
うちの方ですし、お気持ちだけで十分ですよ』
申し訳なさそうに微笑む千里。

『あっ、いや、そう言う訳にはまいりません。
僕が、父に叱られてしまいますから。
御都合いかがでしょう?』

『分かりました。日曜日であれば
主人も在宅していますので、25日に
お待ちしておりますね。ご丁寧にありがとう
ございます』

『良かった。では、お忙しい中恐縮ですが
伺わせて頂きます』とホッと胸を撫で下ろす
ように微笑む信長。

そんな信長を
(家康さんは、俺様とか言ってたけど
めちゃめちゃ紳士に見えるけどなー)と
思いながら、無意識にじっと見つめる桜奈。

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