第3章 〜君を見つけた〜
『なんだ?騒がしいな?
あれ、どうした桜奈。顔真っ赤だぞ?』
と鷹介に言われ
顔を隠すようにしながら、息を整えると
『な、なんでもないよ。お風呂みてくる』
とお風呂場に向かった。
『千里、今日の桜奈おかしくないか?』と鷹介。
『そうね。でもいい反応よ。鷹介さんと
私が初めて出会った時と同じ体験を
してるのよ。青春よ。青春!』
『ああ、そう言うことか、なるほどね。
でも父としてはちょっと複雑だなぁ』と
少し寂しげに微笑む鷹介。
『そんな、寂しそうな顔しないでよ鷹介さん』
と千里は、お茶を入れ鷹介の前に置いた。
『ありがとう、でも、やっぱり複雑だよ
娘を誰かに持って行かれるかもって気分は。
父親の性なんだろうね。今なら
お義父さんの気持ちがよく分かるよ。』