第3章 〜君を見つけた〜
『あー、じゃ、徳永さん、お部屋に
案内しますね、こっちです。どうぞ。』と
やはり、顔を見れないまま、二階へと
上がり案内した。
ガチャと栞の部屋を開け、『この部屋を
使って下さい。あ、あと荷物置いたら
お風呂に案内するので』とやっぱり
目を合わせられない。
(ダメだー、全然、顔をまともに見れない
こんな態度、失礼なのに。
どうしたのよ、変だよ私ー!
こんな態度じゃ、感じ悪いって思われる
ちゃんとしなきゃなのに、何やってんのよ。
あー、でもダメ、恥ずかしくて顔見て
話すのやっぱ無理ー)
『ブツブツ・・』
すると、『ププッ』と笑い声がした
ハッとして、家康を見た桜奈は
また、手の甲を口に当て肩を揺らし
必死に笑いを堪えている家康。
『へっ?』(なんで、笑ってんの?)
と、キョトンとした顔をして家康を見ると
それに気づいた家康が
『ごめん、ごめん、なんか念仏みたいに
ブツブツ、険しい顔で唱えてるから
何かなと思って。
あとさっきから声かけてたんだけど
全然気づいてもらえなくて
俺、着替えたいから
ドア閉めてもらいたいんだけど・・
それとも、着替えてるとこ見る?』と
揶揄った。
(//// ボッ ///)火がついたように
耳まで真っ赤にした桜奈は
『し、し、失礼しましたー!!』
と、勢いよくバタンと扉を閉め
ダダダダと二階から駆け下りた。