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また、恋してくれますか。

第19章 〜祈り〜


『小夏の幸せが、最優先か・・・
ならば、小夏が幸せになる
算段が必要だな・・・』
そう言って、ニヤっとすると

誰かにメールを送った。

『虫除け程度に思っていたが
あいつは思いの外、本気だ。
うかうかしてると、間に合わなくなるぞ。』

しばらくして、返信が返ってきた。

『成長してるってことだろ。
だが、心配御無用だ。小夏を誰かに
渡す気など毛頭ない。』

メールを読みながら
(ふっ、相変わらずの自信だなぁ。
お前が、こんなに執着を見せるとは
思わなかったがな・・・)

何日か前に『手は打ってある』と返信が
きたが、その日、小夏の携帯にメールが届いた。

『待っていろ』とたった一言。

それを見た小夏は複雑だった。
久々に目にした、愛してやまない人からの言葉。

しかし、同時に怒りが込み上げる。

(はっー?待ってろって何よ!私が
待ってるとでも思ってんの!?突然、私の前から
消えた時と、同じセリフ吐いてんじゃないわよ)

そう言いながら、スマホを抱きしめ
うずくまり、涙する小夏。

(会いたい・・・会いたいよぉ・・・光秀・・)

手術を終え、朦朧とする意識の中
誰かに、手を握られていた。
握られた手に視線を向けると
そこには、最愛の人が自分の手を
握りしめたまま、額に押し当て悲痛な表情を
浮かべていた。

『光秀・・・?』酸素マスク越しにか細い
声を出すと、光秀が気がついた。

『小夏・・大丈夫か?傷は痛まないか?』
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