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また、恋してくれますか。

第18章 〜輪廻〜


考えごとを、している遠くで
微かに聞こえる声。

『・・さん?』
『・・やす、さん?』

『家康さん!』と言う声に
ハッとした家康は、桜奈の方を見て
『えっ何?ごめん、ボーッとしてた』と
慌てた。

『あっ、すみません。考えごとしてたんですね。
私もぼっーとしてて、麦茶入れてくれたのに
気づいてなくて、ありがとうございます』
と、麦茶を掲げ、ペコッと頭を下げる桜奈。

『あっ、うん、俺も人の事は言えないけど
すんごい遠く行ってたねー。目の前で
手を振ったけど、全然気づかないし。
どうせ小野寺さんと
兄貴の事考えてたんだろうけど・・・』

ギクッとする桜奈だったが
『な、なんでわかるんですか?
また、顔に出てました?』と苦笑いした。

『うーん、顔は、まぁ・・・』
と言うと、ぷッと吹き出し
『コメントは控えるよ』とニヤッとした。

(何?なに、私、そんなに変な顔して
考えこんでたの?)と、恥ずかしくなり
頬を抑え、家康を見た。

『おおかた、俺が言ったこと気にして
小野寺さんに、兄貴を会わせていいものかって
また、考えてたんでしょ?どうせ。』

(な、なんでそこまで・・・分かるの!!)
と目を見開く桜奈。

『まだ、自分の分かりやすさの自覚が
ないのは、相変わらずみたいだし』
シレッとした横目で、流すように桜奈を
見る家康。

『仕方ないじゃないですかぁ。
家康さんだって言うほど、自分をわかってない
ことあると思いますけど!』
と、いつもいつも、無自覚と言われることに
ムッとし、根拠もなく、口から出まかせを
言ってみた桜奈だったが

『例えば?俺がわかってない俺を
桜奈は知ってるんでしょ?
例えば?』と詰め寄られた。
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