第18章 〜輪廻〜
『えっ!?』と焦る桜奈。
だが、家康は徐に立ち上がると
テーブルに片手をつきながら
どんどん桜奈に近づいてきた。
『い、家康さん・・・?』
(な、な、なに?)
どんどん、あわあわし、困惑する桜奈は
家康から身体を離すように、椅子に座ったまま
身体をのけぞらせて行く。
『ねぇ、俺の知らない俺って、例えば?』
熱を帯び、潤んだ翡翠色の瞳は
窓から差し込む光を反射し
キラキラしていた。
心臓は、口から飛び出してしまいそうなほど
バクバクしているのに、家康から目が離せない
桜奈。
どんどん、迫って来る家康の顔。
(///ち、近い、近い、顔!ちかいよー!)
もう逃げ場もなく身動きの取れない桜奈は、
どうしていいか分からず、思わず目をギュッと
瞑ってしまった。
(ど、ど、どうしようーー!!)と
プチパニックの桜奈だったが
その後すぐ肩にズシっと重みを感じ
同時に伝わって来る身体の熱。
ハッー、ハッーと首筋に熱い息がかかった。
恐る恐る目を開けた桜奈は
自分の肩にもたれ、グッタリしている家康に
驚いた!
『い、家康・・さん?家康さん?』
と、家康の肩に触れると(身体、熱っ!!)と
熱を出していることにやっと気づいた
桜奈は、慌てた。
『家康さん、熱あるじゃないですか!?
と、とりあえず、部屋に行って
横になりましょう』