第18章 〜輪廻〜
詩織が、信長と会ってそんな意味での
真っ向勝負をしたとは、つゆほども思って
いない桜奈。
自宅に戻ってからも、詩織と信長が
会った瞬間を想像し、1人妄想しながら
ニヤニヤしていた。
(会った瞬間、どんな顔するかな、しぃちゃん。
ずっと会いたかった人だもんね、長年の片想いの
人だもんね!あんな素敵なイケメンさん・・
Σハッ、来るもの拒まず、去るもの追わずの人
だもんね。やっぱり心配だな。会わせて
大丈夫なのかな?)
頬杖をついて、ニヤついていたかと思うと
突然、神妙な面持ちになり、更には眉間に
シワを寄せ考え込む桜奈。
詩織なら、きっと何とかするだろうとは
思いながら、もし傷つくようなことに
なったらと心配はつきなかった。
目の前に置いた麦茶にも気づかず
桜奈の顔の前で、手を何度か振って
声もかけたが、心ここにあらずの桜奈に
仕方なく、桜奈の百面相に見入ることに
した家康だったが
(どうせ、小野寺さんと、兄貴の事を考えてる
んだろうけど・・・)と思いつつ、家康は
別のことに心を持っていかれた。
(俺達のことを見た時の栞さんの驚き方は
やっぱり、尋常じゃなかったよな・・・
生まれ変わりなんて非現実的な話だけど・・
時を超えて、タイムトラベルとか、それだって
充分、あり得ない話だけど・・・
おじさんもおばさんも疑ってないみたいだし
おじさんは研究者だし・・・もっと詳しく
話を聞いてみたいな)