第18章 〜輪廻〜
『後悔しないことが、贈り物を受け取った証
だといったけど、後悔しないなんてことも
ないとも言ったわね。』
コクッと頷く詩織。
『自分選んだことに対して、自分が
望んだ結果にならなければ、後悔は
つきまとうものだと思うの。
あの時、やっぱり別の方を選んでたら
違った結果になったかも、望んだ結果を
手にしたかもって。』
『うん、そう思う。』
『それは、人はみんな満たされたいし
幸せになりたいから、仕方ないと思う。
だから、満たされなくて、幸せだと思えな
ければ、いつだって原因を探して
〜タラ・〜レバって、自分の選んだ結果に
自分自身を責めてしまう。邪魔した人を
責めてしまう。それを繰り返すと、自分を
自分が嫌になっていくでしょ?
おばあちゃんはね、自分を嫌って自分や誰かを
責めることが、幸せになれない1番の
原因だと思ってるの。だから、後悔も失敗も
しない人生なんて、誰一人歩めはしないのだから
今の自分を好きだと、今の自分で心地いいと
言える自分の方を選び続けて欲しいわ。
難しいけど、今の自分に、自分が『良し!』って
言えるとね、過去の失敗も後悔も今の自分に
全部溶けて消えて行くの。だから後悔はしたかも
しれないけど、後悔はないの。
それがおばあちゃんが生きてきた中で見つけた
おばあちゃんの答えよ。自分の答えは
いつでも自分の中にしかないと思うわ。
だから、詩織の正解は詩織にしか分からない。
詩織の幸せは、詩織にしか分からないようにね』
無邪気に微笑む祖母の顔はがとても
幸せそうに見える詩織。