第18章 〜輪廻〜
駅ビルのお店に入るまで
考えていた詩織だったが、やっぱり答えは
出なかった。
『ダメだ、おばあちゃん全然わかんないや』と
お手上げの詩織。
『あら、もう降参なの?負けず嫌いの
しぃちゃんは、小さい頃だけ?』
と、クスクスと煽る祖母。
『だってぇ、おばあちゃんの言ってること
分かるようで、分かんなくてモヤモヤ
するんだもん。』ぷぅっと膨れて
拗ねる詩織。
『そうよねぇ、答えが出ない間は
モヤモヤするわよね。でも、答えが出たら
出たで、これが本当にあってるの?
正しいの?って不安になって、またモヤモヤ
するじゃない?
人は、モヤモヤしてるのが好きなのかしらね?』
まるで、人ごとのように話す祖母。
『確かに、これでいいと、その瞬間は
思ったのに、後になってやっぱり
違ってたのかもって思う時あるもんね』
(まぁ、今の私がまさにそうだけどさ・・・
よくよく考えたら、あんな逆ギレで
片想い終了とか・・・)
『はっー』とため息をつく詩織。
『あらあら、大きなため息ついて・・・
そんなに、悩ませちゃったかしら?
じゃ、おばあちゃんが自分の答えとして
見つけたものを披露していいかしら?』
『うん、うん、聞きたい、聞きたい!』と
身を乗り出す詩織。