• テキストサイズ

また、恋してくれますか。

第17章 〜他生〜


駅ビルの中の甘味処にやってきた二人。

桜奈はメニューと睨めっこしていた。

『決まった?』と、桜奈に尋ねる家康。

『うーん。クリームあんみつ?善哉?おしるこ?
小倉白玉、わらび餅・・・
あっ!抹茶アイスの載ったパンケーキも
ある!・・・』眉間にしわを寄せ
悩む桜奈。

『はっー、聞こえてないし・・・』
メニューを穴が空くほど見つめ悩む桜奈を
頬杖をつきながら、眺めていた。
ため息はついたものの、呆れるどころか
むしろ、ずっと眺めていたい気分だった。

じーっと見られていることに気づいた
桜奈は、なかなかメニューが
決められないことに、呆れているのだと
思い、メニュー表を立て、首を窄めながら
隠れるように小さくなって行く。

『何してんの?』顔が見えなくなって
行く事に、ツッコミを入れる家康。

『えっ?あ、その、選ぶの遅くて
呆れられてるのかなーって、気まずくて
ちょっと隠れてみようかと』

『ぷっ、何それ?別に呆れてないよ?
ただ・・・』

『ただ?』

『(可愛くて眺めてた、とは言えないな)
ふっ、洋菓子も和菓子も関係なく、ただの
甘いもの好きの食いしん坊なんだなと思ってさ』
とニヤッとしする家康。

『ゔぅ、ひ、否定はしませんけど・・・
地味に、傷つく・・甘いもの好きだけど
食いしん坊だけど・・・』と、またメニュー表を
盾に小さくなって隠れる桜奈。
/ 978ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp