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また、恋してくれますか。

第17章 〜他生〜


『で?決まったの?』と尋ねる家康。

『んー!・・・』身を捩り、絞り出すような
声をあげた後
『はい!決めました!やっぱり
クリームあんみつにします!!』
とニッコリする桜奈。

『結局、クリームあんみつなんだ』と
今まで迷っていたのは何だったのかと
苦笑いの家康。

『えへへ、やっぱり美味しそうで
アイスも食べられるし!』

やっと注文し、メニューを脇に片付けている
桜奈に途中になっていた
さっきの話をまた振ってみた。

『さっき途中になってたけど
なんで、兄貴と小野寺さんをそんなに
会わせたかったの?』
(だって、桜奈の初恋の相手が
兄貴なんだろ?小野寺さんも、ただお礼を
言いたいってわりに、あんなテンパるかな普通。
おかしいよな?)

家康は、詩織も信長に何かしら特別な
気持ちがあると感じていた。それが
ただの感謝だけでなく、もっと違う
何かだと。

もし、それが恋心だったら、わざわざ恋敵を
あんなに必死に会わせたがる桜奈の
心境を知りたかった。
何も気づかずに、純粋に会わせたかったのか
それとも、気づいていながら、身を引いて
自分の気持ちは抑えているだけなのか。

知ってどうなる訳でも
ないと分かっていながら、桜奈の
初恋の相手が本当に信長なのかも
確かめたいが為の探りでもあった。

『ん?(なんでそんな事聞くんだろ?)』
と言ったがすぐに、詩織がパンケーキ屋で
打ち明けてくれた事を思い出しながら

『しぃちゃん、ずっと会いたがってて
でも、何処の誰かも分からないままだったし。
命の恩人だし、初恋・・・』と言ったところで
ハッとし、口をつぐむ桜奈。
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