第2章 〜会いたい〜
『ごめんね、しぃちゃん。
気を遣わせちゃったね』と桜奈。
『気なんて遣ってないよ。私なんて
感度のいい、イケメンアンテナで
イケメン見つけては、彼女もちか
あぁ残念なんてことしょっちゅうだし。
イケメンなんだもんモテるのは当たり前で
彼女がいたっておかしくないじゃない?
でも、イケメンみると、どっかで夢
見ちゃうんだろうねこの人が私の彼
だったらなんてさ。
でもそれは、やっぱ恋じゃなくて
恋に恋してるっていう、あの定番心理
なんだよきっと。あの謎のイケメンと
桜奈の場合もさ』と、フォローする
詩織。
『ふふ、そうかもね。恋に恋して
妄想してただけだね。』と吹っ切れた
ように笑う桜奈。
『えっ、珍しい、あの謎イケメンのこと
妄想したの桜奈?』
『うん、ちょっとだけね』と、指で
ちょっとと言う仕草をした。
『そっか、そっか、安心したよー
桜奈も人並みに妄想するんだー
あの人との妄想してたかー』
と、うんうんと頷く詩織。
『やだ、しぃちゃん、人を変態みたいに
言わないでよ』と心外と言い顔の桜奈。
『だって、桜奈は、恋云々の前に
男そのものに興味が無いんじゃかって
実はこっそり思ってたから、そんなこと
ないってわかって、安心したよー』
ニコニコする詩織。