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また、恋してくれますか。

第16章 〜慟哭〜


また、こんな事に遭遇した時
必ず助けられる自分でいたくて
泳ぎを極めて行った信長は
競泳のインターハイで好成績を収める
ほどになっていた。

大学に進学してからは、監視員のバイトも
するようになった。

バイト中にも、溺れかけた人を
救助した事はあったが、小さな子供を
助けた記憶は、初めて助けた女の子と
後、もう一人だけ。
てっきり、桜奈をその時の
女の子に重ねて、違和感を覚えながらも
会話してしまったが、改めて思い出すと
勘違いしていた事に気づいた。

(ああ、そうか、あの子じゃない方の
女の子か・・・)

栞の時は、プライベートで海に
来ている時、本当にたまたま近くを
泳いでいて、助ける事ができた。

少しずつ、記憶が蘇る信長。

(さっきの子は、ずっと泣きながら
叫んでた方の子か・・・)

人が沢山いるところより、少し沖寄りで
泳いでいた信長。
その方が誰にも邪魔されずに泳ぐことが
できたからだ。暫く泳ぎ、仰向けで
波に身体を任せていた。

すると、『しぃちゃん待ってー、そんな
遠く行ったら危ないよー!しぃちゃん』

『桜奈早く!浮き輪あるから平気だよ
早くおい・・・ザバッ!ぶっふぁ、あっぷ』
『しぃちゃん!!しぃちゃん!!』

尋常ではない叫び声に、立ち泳ぎに体勢を
変えて、辺りを見回す信長。

すると、浮き輪につかまりながら
泣き叫び手を伸ばしながら必死に足を
バタつかせ沖に向かって進む女の子の
姿が目に入った。

(何やってんだ!こんな場所に子どもだけで!
それ以上いったら流されるぞ!)
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