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また、恋してくれますか。

第16章 〜慟哭〜


ーーーー時は現代ーーーー

朝、病院のベッドで目覚めた栞。

夢だったら良かったと思いながら
辺りを見回すが、白い壁と天井と
クリーム色のカーテンで仕切られた
ベッドに横たわる自分。

ふと横に目をやれば、床頭台にテレビ。
点滴のルートが自分の腕に繋がれてある。

目に入ってくる景色で、ここは紛れもなく
自分が生まれ育った現代なのだと
思い知らされる。

まるで、戦国時代にいたことの方が
長い夢だったのではないかと思えるほどに。

(ほんとに、戻ってきちゃったんだな私・・・)

そう思うと、今頃どうしているだろうかと
愛しい人達の顔が次々と脳裏に浮かぶ。

深い後悔に押し潰されそうになるものの
信長が自分を見つけ、迎えに来てくれたことに
救われた気がしていた。

色々考えながら、ふと、現代に戻ってきて
どれくらいの日が経ったのかと気になった。

病院に運ばれてくるまでの記憶が
ほとんどない栞。

ただ、夢の中で懐かしい人に会った気がした。

桜奈との約束を果たしたくて
その間、ずっと桜奈の事を思い出して
いたから、きっと夢に見たのだろう。
栞はそう思っていた。

(例え夢でも、会えて嬉しかったな。
セットで家康も見た気がする。
桜奈さんのいるところに、家康ありって
感じだったもんね。夢にまでついてくるなんて)
とふっと笑う栞。

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