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また、恋してくれますか。

第16章 〜慟哭〜


『信長様!試すようなことして
ごめんなさい!
でも、思い出して欲しかった
好きな人と、引き裂かれるのが
どんなに苦しいか!側に居られないのが
どんなに辛いか!桜奈さんが
どんな思いで、家康に側室をもたせ
世継ぎ望んだのか!信長様の目指す世を
どんなに願っていたのか!
桜奈さんの為にも凛桜の為にも』
栞も泣きながら叫び、信長に駆け寄った。

『分かっておる!わしの言葉が
足りなかった、許せ!』

あと少しで、お互いの手が届きそうに
なった瞬間、ピカッ!と閃光が辺りを
包んだ。

『うっ!』眩しさで一瞬目が眩んだ信長。


『きゃっー!』と言う声がして目を凝らすと
栞が宙に浮きワームホールに飲み込まれ
始めていた。

『栞ー!』必死に手を伸ばしたが
間に合わず、シュッとワームホールは
信長の目の前で閉じてしまった。

直後にドォォーンと地響きとともに
少し離れた場所に落雷した。

『栞・・・』伸ばした腕のまま
呆然とする信長。

後から、『信長様ー!』と
秀吉達の声がしたが、信長は
未だに目の前から栞が消えてしまったことを
受け止められず、雨にうたれながら
立ち尽くしていた。

『信長様!栞は?』と言う秀吉に

『間に合わなんだ』とポツリと呟き
だらんと伸ばした手をグッと握りしめると
『戻るぞ』と、身を翻した。

『えっ、あっ、信長様!お待ち下さい』
と秀吉達も信長の後を、追いかけた。
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