第16章 〜慟哭〜
後片付けを済ませて、水を持って
桜奈の部屋に行った家康。
コンコンとノックはしたが、反応はなく
そっと部屋に入ると桜奈は
寝息をたて、スヤスヤと眠っていた。
熱を確認する為、首筋にそっと触れる家康
熱は、先程より少し下がっているように
感じた。
ホッとしながら桜奈の部屋を
改めて見回すと、徳川家康のグッズが
あちこち目についた。
ぬいぐるみやフィギアやアニメチックな
可愛い感じのものばかりだった。
(ほんとに、好きなんだな)とクスッと
すると、机の上にちょこんと座るように
置かれた、ぬいぐるみが目に止まった。
水を机の上におきながら
徳川家康のぬいぐるみをちょんと突くと
『お前は、いいよな、愛されてて・・
俺も同じ名前なのにさ。
お前が羨ましいよ・・・』
と、ボソッと独り言を呟くと
(何、言ってんだかな俺・・・)とフッと笑う。
それから、部屋の灯りを消すと
静かに出て行った。
パタンと言う音で、パチっと目を開けた桜奈は
(///えっー!今のどう言う意味!?///)
と困惑しつつも、胸のドキドキが止まらなく
なっていた。
夕方まで、ずっと眠っていた桜奈は
寝過ぎたせいで、眠りは浅いものになっていた。