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また、恋してくれますか。

第16章 〜慟哭〜


『大丈夫か?怪我は?
ほら、だから今日1日、寝とけって
言ったのに。もう、後は俺がやるから
さっさと薬飲んで寝る!明日、お見舞い
行けなくなるよ。』と桜奈の手についた
泡を流し、ソファーまで肩を抱くように
連れて行くと、座らせた。

それから、薬を飲ませると
また、部屋まで付きそって寝かせた。

熱が37.8℃まで再び上がっていた。

冷却シートを桜奈のおでこに貼る
家康に『すみません、また迷惑かけちゃって』
と言いながらしゅんとし、凹む桜奈。

『いいや、桜奈の大丈夫!を信じた
俺が悪い。桜奈の大丈夫は大丈夫じゃ
ないことが分かった』と少し呆れたように
でも、しょうがないやつと優しい表情で
冷却シートを密着させるように、おでこに
手を当てた。

また布団で顔を隠しながら、まるで
トホホと言っているような桜奈の瞳が
家康には、くぅ〜んと鳴く
仔犬のように可愛く見えて仕方なかった。
(///もう、なんなんだろ?この人///)

ずっと眺めていたい気持ちをぐっと我慢し
『じゃ、大人しく寝ててよ!』と
ビシッ指をさしながら、桜奈に
釘を刺すと、後片付けの為に
部屋を後にした。

家康の優しさが身に染みる桜奈。

優しくされるのは、飛び上がりたいほど嬉しい。
そうなると、家康の優しさを独り占めしてたいと
欲が出てくる自分を
(お医者さんになる人だもん。具合悪い人を
ほっとけないのは当然なんだから
勘違いしない!分かったか?私!)と
自分で自分を説得する桜奈だった。
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