第16章 〜慟哭〜
少し休んでから、必要な物を持って
病院へと戻った千里。
暫くして、鷹介が帰宅し
3人で、夕食を取りながら
栞の話をしてた。
『パパ、お姉ちゃんは、まだ熱下がらないの?
さっきママから状態は少し聞いたけど。』
『うん、まだ熱は続いてるけど
昨日よりは、楽に息できてるように
なってるし、もうすぐ目を覚ますんじゃ
ないかな?信長君が診てくれてるし
大丈夫だと思うよ。久しぶりに会ったけど
本当に立派なドクターになってて、驚いたよ』
と、懐かしむように語る鷹介。
『久しぶりって、どれくらいぶりに
先生に会ったの?』
『そうだな、初めて会ったのは徳永達の結婚式で
徳永のお姉さんに抱っこされてたけど
可愛かったなー。
あとは阿茶子ちゃんと家康君が生まれた時に
お邪魔しに行ったけど、信長君は
まだ小学生だったからな。
でも、その頃からとても落ちついてて
大人びた子だったけど、生まれたばかりの
阿茶子ちゃんのことも、家康君のことも
可愛くて仕方ないって感じで
優しい子だって思ってみてたよ。』
『え゛っ!あの兄貴が優しい?』と
あり得ないと言いたげな家康。
それを聞いてぷっと吹き出す桜奈。
『えっ、信長君優しいでしょ?』と
何か間違ってた?と言う顔の鷹介。
『あっ、いや、俺にはあんまり優しく
ないから、つい・・・』と、納得
いかない様子の家康。