第15章 〜再会〜
桜奈は、覚えていないだけで
何とか薬を飲ませようとしたが
自力では飲める状態では無かった桜奈。
口移しでもなんでも、水分を取らせなければ!
そう思って、飲ませたのだった。
冷蔵庫から、ペットボトルを取り出しながら
家康も、口移しで桜奈に
水を飲ませた時の事を思い出していた。
(ああでもしなきゃ、水分取れなかったし)と
自分に言い訳してみたところで
適切な処置と言う名目とは言え
桜奈にバレたら、どんな反応されるか
と思うと、気が重かった。
『はっ〜』と、冷蔵庫の扉を閉めた後
壁ドン状態で項垂れ反省する家康。
反省しているはずなのに、口付けしたことを
どこかで嬉しいと思う自分に、余計に自分を
見下げてしまいたくなる。
『家康さん、大丈夫ですか?
体調悪いんですか?』と言う桜奈の
突然の声にビクッとする家康。
『ど、どうしたの?寝てなきゃダメじゃん!』
と焦る家康に、『トイレです』
それから、家康に近づくとおでこに
ふっと、手を当てる桜奈。
『///な、何!///』とパッとおでこに
触れる桜奈の手を掴む家康。
『あっ、いや、冷蔵庫に手をついてため息
ついてたし、体調悪くて、熱があるんじゃ
ないかと思って。
顔も、なんか赤くなってる気がしますよ。
大丈夫ですか?熱は、まだなさそうですけど』
心配そうに家康を見る桜奈。