第15章 〜再会〜
『んっ、ん・・・』今目覚めたかのように
装い、目を開けベッドに顔を埋めたまま
視線だけ桜奈に向け
『おはよう。体調はどぉ?』と尋ねた。
ニコッとし『はい、お陰様でだいぶいいです。
ずっと、看病してくれてたんですよね?
ありがとうございました。』とお礼を言う桜奈。
さっきまでの、切なげな表情は消えていた。
握り締めていた手をさりげなく外し
うーんと伸びをし、そのあと
徐に、桜奈の首筋に手の甲をあて
熱を確認した。
『昨日よりは、下がってるみたいだけど
熱測ってみて』と体温計を手渡した。
不意に触れられて、ドキッとした桜奈
だったが、言われるまま熱を測ると
37.2℃だった。
『まだ、微熱あるね。今日は1日休んで
ないとダメだよ』と体温計を見ながら
桜奈に言った。
『大丈夫ですよ。これくらいなら。
ママもいないし、ご飯作らないと』と
起き上がろうとする桜奈の肩を
『だーめ!また熱出たらどうすんの?
医者の卵の言うこと聞いとけって』と
言いながら、押し返しまた桜奈を
寝かせる家康。