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また、恋してくれますか。

第15章 〜再会〜


一方、桜奈が目を覚まし、握った手を
動かした時、一緒に目が覚めていた家康。

夢うつつだったが、目を開けようとした時
桜奈が自分の髪に触れてきた。

そして、クスクス微かに笑う声がして
家康は、体調がだいぶ良くなったのだと
安堵した。

それから、髪を触る桜奈を薄目でみると
無邪気に微笑んで見えた。

目を開ければ、この時間は終わってしまう
握った手も解かれ、無邪気に微笑む姿も
消えてしまう。

そう思うと、目を開けたくなかった。

時々、薄目で桜奈を盗み見しながら
眠っていると疑わない自分に、何をするのかと
楽しんでもいた。

けれど、また触れると思った手を引っ込め
泣きそうな顔で切なげに微笑む顔に
自分まで苦しくなった。

(なんで、またそんな顔するの?
どんな気持ちが、そんな顔させるの?)

時折桜奈が見せる、苦しそうに
微笑む姿。
その顔を見るたびに、胸が騒つく。
苦しくなる、悲しくなる。

そう思うと、狸寝入りを忘れて
眉間にシワを寄せる家康。

『家康さん?』

眉間にシワを寄せたところで、桜奈は
家康が起きたのかと声をかけた。

しまったと思ったが、狸寝入りをやめざるを
得なかった。
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