• テキストサイズ

また、恋してくれますか。

第15章 〜再会〜


夢か現実か分からない中
誰かと、会話をする桜奈。

『大事ないか、桜奈・・・』

『はい、私は大丈夫にございます。
ただ、少々喉が乾いてしまいました
お水を頂きとうございます・・・』

(あれ?なんか、言葉使いがおかしい・・)

自分が話しているはずなのに
自分ではない気がしてくる桜奈。
まるで、映画でも観ているように
観客目線の自分もいる。

『分かった、いま持ってくる・・・』

『はい、水飲んで・・』
抱き起こされ、湯呑みを渡されたが
手には力が入らず、湯呑みが手から
滑り落ちて行く。

『申し訳ございません、もう手に力が
入らなくて・・・』

『気にしなくていい、俺が飲ませてやる』

すると、会話の相手は、自分の口に水を
含むと、桜奈に口移しで水を
飲ませた。

ゴクッと水を飲み込む桜奈。

火照った身体に、水分が沁み渡る

『もっと、いる?・・・』
『はい・・・』

ゴクッ、ゴクッ。

喉の渇きは癒えたが、身体は鉛のように重く
関節のあちこちが軋み、辛かった、
けれど気持ちは、どこまでも温かく満たされた。

『桜奈、早く元気になって・・・
俺を一人にしないで・・・
ずっと側にいるって約束したでしょ・・・』

(私は、どこにも行かないのに・・・
どうして・・・そんな悲しそうなの?・・・
私まで、悲しくなってくる・・・)

逆光で顔は、はっきりは見えないけれど
その人から伝わる悲しみに

桜奈も切なさで、胸が締め付けられ
苦しくて、悲しくて涙が溢れてくる。

『そんなに、悲しま・・ない・で。
私は・どこ・に・も・・行か・・ない・よ・・』

桜奈は、その人が流す涙を拭おうと
手を伸ばした。
/ 978ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp