第2章 〜会いたい〜
『もちろん恋は、したいよ。
でも私は、おばあちゃんになるまで
一生、同じ人に好きでいてもらいたいし
好きでいたいだけ。
そんな人と出会いたいだけだよ
恋=結婚が理想なの』と
ジュースの氷をストローでザクザク
鳴らしながら、答える桜奈。
『重っ!前から思ってたけど
桜奈のその考え、若者には重いよ。
まんま、うちのおばあちゃん
がいつも言ってる台詞だもん。
『詩織〜、お付き合いするなら
結婚前提でお付き合いしたいって言う人
探しなさいね!おじいちゃんみたいに
優しくて、誠実な人がオススメ♡』ってさ。
孫に惚気るってどうなの?
って思うけど。
まぁ、羨ましいとは思うけどさ。』
と、おばあちゃんの言い方を真似をしながら
話す詩織。
『そっ!それよ。しぃちゃんちの
おじいちゃんとおばあちゃん、今だに
ラブラブだよね!私はそれが理想なの!』
と、羨ましそうな桜奈。
『でも、そんな一生の相手に一回で
出会えるかどうかなんて、分かんないじゃん。
もしかしたら、宝くじ当たるより
確率低いかもしれないよ?
そんな、一発勝負みたいな出会い
待ってたら桜奈は、確実にいきおくれる!
私には、そんな悪寒しかしない』
『ひどーい、絶対、嫁に行ってやるし!』と
頬を膨らませる桜奈。
『だから、嫁行く為にも出会いは
大事でしょ?桜奈が超珍しく
興味を示した、謎のイケメン。
またどっかで、ばったり会わないかなぁ
興味を示したってだけで、私から見たら
桜奈史上、凄い出来事に思えた
んだけどなぁー』
とため息をつくと、取り逃がした
魚は大きかった心境の詩織は頬杖をついて
店の外をぼんやりと眺めた。