第2章 〜会いたい〜
そんな、桜奈が初めて
生身の男子に興味を示したのだから
親友としてはなんとかして
その興味を維持させたかった。
『パンケーキを呑気に食べてる
場合じゃないよ桜奈。
それでなくても、生身の男に
興味ないのに、どーすんの?
このまま、そんな可愛いお顔を
宝の持ち腐れで、無駄に腐らす気?』
『腐らすって、しぃちゃん、時々
えぐい言い方するよね。
それに別に私そんな可愛くないよー。
しぃちゃんの方が美人じゃないよ。
しぃちゃんこそ、この前の告白してくれた人を
瞬殺でお断りしてたじゃん。
彼氏欲しいって言ってる割に
いいよってくる人、バッサバッサと
切り捨ててる気がするけど。
佐藤くん、真面目で優しいから
旦那様にするなら、おススメ物件だと思うよ。
次男だし。ご両親も公務員でお堅い職業だから
いいと思うけどねー』
『はーっ、出た。桜奈の結婚対象リサーチ。
どっから、そんな情報とってくるわけ?』
『えっ?普通に話てて、佐藤君が
教えてくれたけど?』
『佐藤君、たしかに結婚対象ならそうかも
しれないけど、私がしたいのは恋。
佐藤くんは、私のタイプじゃなかったの。
それだけよ。
ちなみに、桜奈って、恋したいとか
思わないの?何故、恋を無視して
結婚願望に飛ぶんだろうねー』
と詩織。