第15章 〜再会〜
ザバッと水しぶきを立てながら姿勢を正し
シャキッとし、反射的に胸を隠す桜奈。
『だ、だ、大丈夫です。もう出ます』と
慌てて答えた。
(///うわぁー!!な、なんで!?
み、見えてないよね?///)
突然、声をかけられ、家康がドア越しに
いるかと思うと、桜奈は恥ずかしさで
軽いパニックになった。
『寝てないならいい。のぼせないように
気をつけてよ』と言って家康は、何事も
なかったように出ていった。
お風呂から上がり、リビングに戻った桜奈は
『お待たせしました。家康さんも
すぐ、お風呂入って下さい』と声をかけた。
桜奈の顔は、茹で上がったタコのように
真っ赤だった。
家康は『顔真っ赤だよ?のぼせたの?』と
心配したが
『ちょっと、長湯しちゃいましたね。
すみません、お待たせしちゃって。
家康さんもすぐ入って下さい。
風邪ひいちゃうといけないから』
と桜奈に促され、家康もお風呂に
向かった。
家康の姿がなくなると、気を張っていた
緊張の糸が切れ、崩れ落ちるように
ソファに倒れ込む桜奈。
本当は、立っているのもやっとなほど
体調は悪化し、熱が上がって顔が真っ赤に
なっていたのだ。
ハッーハッーと荒い息遣い。吐く息も熱い。
(こんなとこに座ってないで、早く部屋に
戻らなきゃ。また心配されて、世話の焼ける
やつって思われちゃう。そんなふうに
思われたくない、しっかりし・な・・きゃ)
起き上がろうと、肘をつき力を入れるが
全く力がはいらない。
(早く、部屋に・・ダメだ、力入んない
身体・動か・な・・い・・・や・・)
桜奈は、朦朧とし意識がだんだん
遠のいていった。