第15章 〜再会〜
写真でしか見たことのなかった姉。
暗い中では、はっきりと写真で見た姉と
同一人物といいきれなかった。
たぶんと言ったのは、桜奈自身も
確証がもてなかったからだ。
二人が驚いていると
その女の人は、意識を取り戻し
覗き込む二人に、目を見開き驚いていた。
それから、桜奈に震える
ように手を伸ばした。
桜奈も応えるように
しっかりと掴み返すと
『桜奈さん、本当に桜奈さん?
ああ、嬉しい・・やっとまた会えた・・・
私、ずっと、会いたかったんだよ・・』
と、涙を流した。
それから家康を見ると
『家康、良かったね・・桜奈さん
帰ってきてくれた・・ずっと・・ずっと
家康も会いたかったよね・・本当に良かったね
家康・・』
そう言って、ニッコリしながら
ポロポロと涙を流し、また気を失った。
『おい!しっかりしろ!』と家康。
呼吸は、ゼェゼェと荒く
身体は、びっくりするほど熱く
なっていた。
(やばい、この雨の中どんだけ気を失って
倒れてたんだ?
それに、なんで俺らの名前を・・・?
いや、そんなこと今はどうでもいい)
焦るように、桜奈に
『桜奈!救急車呼んで。
おばさんも連れてきて!』
『わ、分かった!』
桜奈は、傘を置いたまま
雨の中、自宅まで走った。
急いで自宅のドアを開けるなり
『ママ!救急車呼んで』と
大声で叫んだ。
大声に驚き、玄関にきた千里は
ずぶ濡れの桜奈に更に驚いた。