第15章 〜再会〜
ピカッ!稲光で一瞬当たりが、明るくなった。
『ん?なんだ、あれ?』と家康。
稲光も、雷鳴も歩いてくる最中
時折、光っていたし、鳴ってもいた。
だが、遠のいて行くように、雨も少しずつ
弱まり始めてもいた。
急に立ち止まり、公園の方を
目を凝らすようにして見つめる家康。
『家康さん、どうしたんですか?』と
桜奈が言った瞬間、また稲光で
公園が照らされた。
『はっ?マジか!桜奈これちょっと
持ってて』と言うと、傘とバッグを
桜奈に手渡し、公園にむかって
急に走り出す家康。
(えっ?何、急にどうしたんだろう?)
訳もわからず、家康の後を追う桜奈。
家康が公園に到着すると
着物を着た女の人がうつ伏せで倒れていた。
(やっぱり人だった、なんでこんなところに)
家康が抱き起こし『もし、大丈夫ですか?』
と声をかけ、意識と呼吸を確認していた。
息遣いは荒いが、呼吸はしっかりできていた。
しかし、意識はなかった。
『家康さん、どうしたんですか急に』と
家康に追いついた桜奈は、驚いた。
『だ、大丈夫ですか?』慌てて、
傘を二人に差し掛け、カバンから
さっき使っていたタオルを取り出すと
女の人の顔についた泥を拭き取った。
その間も家康は、ずっと声をかけていた。
泥を拭き終えた、桜奈の手が急に
プルプルと震え出した。
どうしたのかと、桜奈を見た家康は
桜奈の驚愕した表情に驚いた。
『どうしたの?桜奈?知ってる人?』
言葉を失ったまま、コクッと頷く桜奈。
『誰?どこの人?』と言う家康に
『た、たぶん・・私の・お姉・・ちゃん!?』
『えっ!?』と家康が驚く番だった。