第15章 〜再会〜
『すみません・・・』とまた
しゅんとする桜奈。
(はっー、また、凹むし・・・)
いつもと感じが違うことが、少し気になり
出していた家康。
(心配だっただけで、そんなつもりじゃ
なかったのに・・・駅で怒ったのを
まだ、気にしてる?・・・声荒げたとき
ビクッってしてたな・・・怖いって思われた
のかもな、俺。)
『はっー』とため息だけつく家康。
桜奈も、
(ため息ついてる。きっと呆れられてるん
だろうな私。家康さんの気遣いにも
気づけないってどんだけ鈍いんだろ。
こんな世話の焼ける妹なんて、可愛げないよね。
妹ですらない私は、ただの面倒ばかりかける
下宿先の娘か・・・はっー、ムカつかれて
当然か・・・)泣きたくなるくらい
落ち込んでいく桜奈。
桜奈は、自分でも気付いていなかったが
体調が少しずつ悪化していた。
体調の悪化に引きずられるように
気持ちもの切り替えができないまま
後ろ向きな考えになって行く桜奈。
自宅が見え始めた登り坂。
家康が婚約者がいると告げた場所。
また、気まずい雰囲気になった家康は
坂道を登りながら、あの日のことを
思い出していた。
家康は、桜奈が突然、泣き出した
理由が分からないままになっていた。
(そう言えば、なんであの時泣いたり
したんだろう?)今でも不思議だった。
桜奈を好きだと自覚し
何故か、号泣する桜奈に驚き
落ち着かせる為に立ち寄った公園。
公園のブランコで婚約のいきさつを
話ている途中、桜奈に抱きしめ
られ、救われるような思いがした。
思い出しながら、公園にふと視線を向けた。