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また、恋してくれますか。

第15章 〜再会〜


自分で自分を抱きしめる
ようにしながら、待っていると
不意に後ろから声がした。

『桜奈?』
振り向くと、家康がこちらに
駆け寄ってきた。

『ねぇ、なんであんた、そんなずぶ濡れな
わけ?傘は?』と、少し驚いた顔をして
聞いてきた。
(まだ、待ち合わせに30分もあるのに
バイト早く終わったのか?)

『バイト、早く終わったんですけど
置き傘してたつもりが、なくって・・・
走れば、大丈夫かなぁって思ったけど
思いの外、濡れちゃって』と、テヘッ
と言う顔で、笑って誤魔化そうとする桜奈。

『はっー』と呆れたようにため息を着くと
桜奈の手を掴み、『冷たっ!』と
言うと、少し怒った顔で
『ねぇ、何で連絡しなかったの?
バイト早く終わったなら連絡して
とっとと先に帰るべきでしょ。
こんなずぶ濡れで一体、何分ここで
待ってたの?何、やってんだよ?』と
怒られた。
(バカじゃないの?風邪ひいたら
どうすんだよ)心配のあまり
語気が強まる家康。

(だって、一緒に帰りたかったし・・)
とは、絶対言えない桜奈は
しゅんとしながら

『そうしたかったんですけど、車はパパが
使ってて今日はないし、タクシーもあんな
感じだし、コンビニの傘も売り切れだし
家康さん待ってた方がいいかなって思って。
それに、そんな待ってないですよ。
さっききたばっかりだし・・・』
と、困ったように笑う桜奈。

(こんな冷えてんのに、さっきなわけないだろ)
と思いながら
タクシー乗り場に目をやった家康。
確かに、長い行列ができていた。
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