第15章 〜再会〜
着替え終わり、さぁ、帰ろうと
ロッカーの置き傘を取ろうとしたが
傘がなかった。
(あー、そうだ。一昨日のバイトの時
少し雨降ってて、使ったんだったー
戻すの忘れてたー、はぁ、どうしよう・・・)
外の雨音に耳を澄ますと、土砂降りでは
なくなっているように感じた。
ロッカーに置いてあったタオルを
カバンに入れ
(走れば、駅まで少しだし大丈夫だよね)と
軽い気持ちで、職員の通用口の
ドアを開けると
ピカッ ゴロゴロ・・・
ザーッと、まだかなりの雨が降っていた。
(うわっ、まだ雷なってるし、
思ったより降ってるよー
どうしよう、傘借りて行こうかな?
でも、私が使ったら、他の人が使えなく
なるもんね。よし、大丈夫よ!これくらい)
と、意を決し稲光と雷鳴が轟く、土砂降りの中を
駅までダッシュした。
駅前のパンケーキ屋とは言え
駅構内までは、歩いて2分程度はかかる。
走りはしたが、駅構内に入った時は
桜奈は、ずぶ濡れ状態。
靴の中まで、チャプチャプなっていた。
急いで、持ってきたタオルで
肩や腕や髪を拭いたが、髪からは
雫がポタポタ落ちていく。
(うわ、びしょ濡れー、最悪だ)
ため息をつきながら、タオルであらかたの
水気を拭き、改札を抜けて行った。