第15章 〜再会〜

バタバタと仕事をこなして
やっと休憩に入ろうとしている桜奈に
政宗が声をかけた。

『はい、桜奈。
俺の愛情をたっぷりこめた
スペシャルパンケーキ、できたぞー
持ってけー』とパンケーキとコーヒーの
乗ったトレーを渡された。

パンケーキをみて、ぱぁっと
今日１番の笑顔になる桜奈。
『やったー！政宗さんのパンケーキだぁ！
ありがとうございます』とご機嫌で
スタッフルームに向かおとすると

幸紫が
『お前、ほんとパンケーキ好きなんだなぁ』
と呆れ顔しながら
『確かに、横取りなんてしたら
ずっと、恨まれそうだわ』とクスッとする。

『幸紫、それはやめておいた方がいい。
横取りなんてしたら、噛み付かれるぞ』
と政宗は、幸紫の肩をぽんと叩いた。

『マジか！そんなかよ、上杉って
食い意地張ってる顔して、ほんと食い意地
張ってんだな』と揶揄う幸紫。

『いや、いや、食い意地張ってる顔って
どんな顔ですか』と桜奈。

『今のその顔だよ。絶対、パンケーキは
誰にも渡さない、ガルル〜って顔してる』
と、爪を立てる動物の真似をする幸紫。

『あはは、確かに。パンケーキは
誰にも渡しませんから！ガルル〜』と
幸紫からパンケーキを守るような仕草を
しながら、クスクス笑う桜奈。

『大丈夫だ、誰も取ったりしないから
早く、休憩行ってこい。時間なくなるぞ』と
政宗がクスクスしながら、休憩に入るよう
促した。

『はい、じゃ、休憩行ってきます』と
ご機嫌で、桜奈はスタッフルームへと
向かった。