第15章 〜再会〜
『全然大丈夫です。
今日は、バイト時間が長くて休憩が
もらえて、パンケーキが食べられるから
ウキウキで仕事きました!』と
話をしてる途中で
『上杉ー!洗い物溜まってるー』と
幸先輩に呼ばれ
『はーい!』
『じゃ、仕事してきます』と
洗い場に向かった。
『おそーい。いつまで喋ってんだよ。
サボった分休憩なしで
パンケーキ俺が食うぞ』と幸紫。
『すみません。すぐやります。
でも、幸先輩が私のパンケーキ
横取りしたらずっと、根に持ちますからねー
食べ物の恨みは、怖いんですからねー』と
洗い物をしながら、幸紫に恨めしそうに
言うものの、鼻で笑われる桜奈。
『ぷっ、食われたくないなら、さっさと
仕事。それが終わったら、テーブルの
片付けと、セッティングな』と指示された。
『はい、了解です』と桜奈は
黙々と仕事をこなしていった。
バイトを始めて、まだ1週間程。
覚える事は山ほどある。
店長をはじめ、バイトの先輩達は
新しく入った桜奈と詩織
それなりに厳しく指導もするし
仕事内容は、思っていた以上に
肉体労働で楽ではなかった。
それでも桜奈も詩織も
仕事を必死に覚えようと頑張っていた。
一生懸命で真面目な二人を
先輩スタッフ達は好意的に見守りつつ
フォローしながら、可愛がってくれる。
桜奈も詩織も大変だが
人に恵まれた環境でのバイトを
楽しんでいた。