第14章 〜告白〜
家康が真剣に謝ろうとしてくれている
想いは、桜奈にも伝わってきた。
でも、確かにその時は、ショックを
受けていたが、今となっては少し切ないが
いい思い出になっていくような気がしていた
桜奈。
(初恋の人との、最初で最後のキスか・・・
しぃちゃんなら、青春の輝かしい1ページよ
とか言いそうだよね。あんなに怒ったくせに
私、ほんとは嫌じゃなかったんだなー)
冷静な状態で、自分を省みる桜奈。
ふっと微笑むと、家康に
『もう、気にしないでください。
あの時は、びっくりしただけですから。
それに、お詫びはお腹いっぱい
いただいたし、今日も含めて
いい思い出になるはずですから』と
覗きこむようにしながら
大人びた笑顔を見せた。
(///・・・///)
ふわりと優しげに微笑む桜奈が
とても、綺麗に見えた家康。
店を出てから、雰囲気が違っていくのを
感じていた家康だったが、同時に
隣にいるのに、どんどんと桜奈が
遠のいていく気分でもあった。
しつこく聞いたところで
無駄だと思った。
桜奈の中では
既に過去のこととして整理されて
しまったのだと感じたのだ。
もう、終わったこと・・・
それは、寝ぼけてやらかしたことに
対してだけでなく、自分との関係全てに
対してそう言われたような気がして
家康は、それ以上何も言えなかった。
『そっか、分かった・・・』
そう、一言呟くと
諦めた表情で前を向いた。