第14章 〜告白〜
桜奈の気持ちが、掻き乱され
自覚のない期待を持ってしまうのも
無理は無かった。
諦めよう、忘れよう、普通にしようと
心に誓う度に、家康との間には
まるで、気持ちに嘘はつけないよね?と
試されるようにハプニングが起こった。
家康の半歩後ろを歩きながら
桜奈は、今までのハプニングを
思い出していた。
(ふふ、この短い間に色々とあったなー)と
はにかむような笑みを浮かべていた。
嬉しいそうなのに、どこか寂しげで
大人っぽく見える桜奈の
横顔に家康は、ドキドキしていた。
(何で微笑んでるの?何考えてるんだろ?
でも、なんだろう?雰囲気が・・
違って見える。気のせいかな?)
『今、何考えてる?顔がニヤついてるよ』と
桜奈に声をかけた。
『えっ?私?』と思い出の回想から
我に戻った桜奈は、ニヤついてると
言われ、確認するかのように両手で頬を
抑えた。
『うん、だんまりでニヤついてるって
怖いよ』と引いているような、言い方を
していたが、声をかけずにそのまま
盗み見ていれば良かったと後悔した。
さっきの桜奈をもっと見ていたかった
気がしたからだ。
『あっ、気持ち悪かったですか?
すみません、思い出し笑いで、ニヤついて
たかもです』と恥ずかしそうにする桜奈。
『さっき食べた、ケーキを思い出してたの?
ほんとは、まだ食べ足りなかったとか?』と
揶揄う家康。