第14章 〜告白〜
『さて、これからどうしようか?』と家康。
『私は、ケーキでお腹いっぱいですけど
家康さん、眺めてただけだし、お腹空きました
よね?家康さんもお昼食べないと・・・』
(私ばっかり、食べてたからな・・・)
『確かに、言われたらお腹空いたかも。
さっきは、桜奈の食べっぷり
みてるだけで、お腹いっぱいになる
感じだったけどね。』とクスッとする家康。
『あはは、ほんと美味しかったですよ。
せっかくご馳走になるんだし、元はとらないと
勿体ないじゃないですか!』
(きっと、よく食べるなって引かれただろう
けど・・・美味しかったし、楽しかったな)
楽しかったはずなのに、ついさっきの出来事
なのに、遠い昔のように思えてしまう桜奈。
好きですと想いを告げ、振られた訳でも
ないのに、桜奈にとっては
自分が口にしてしまったことで
自分がどう思われているのか、知ることに
なってしまった。
妹のように思っていると家康に
言われたことは思いの外、桜奈を
冷静にさせていた。
これが、現実なのだと。
何を期待して、浮かれていたのかと。
好きになってはダメだと、自分の気持ちを
閉じ込めてきたつもりだったのに
自分の独りよがりだった。
家康同様、今の自分が滑稽で笑える
気がしていた。